【027】 「更年期障害(1)」
中医学では老化によって「腎」の機能がおとろえ、そのために「五臓」(「腎・肝・心・脾・肺」)を中心とする全身の機能活動が限度を越えておとろえたり乱れ、さらにストレスなどの精神的な刺激が加わってさまざまな症状が起こることを更年期障害と考えています。
古代中国の漢方書には女性のからだは7年周期で変化すると記述されております。それは、すべてのからだの変化は「腎」の機能が成熟し、衰弱していく課程で起こると考えているからです。
たとえば、女性は14歳で初潮を迎え、21歳で女性らしいからだになり、28歳がピークでその後衰退しはじめ、49歳にて閉経を迎えるというもので、女性ホルモンおよび月経活動もすべて「腎」が関与していると考えている訳です。
この49歳での閉経期に起こるさまざまな症状が通常「更年期障害」といわれており、主な症状として「頭痛」「肩こり」「めまい」「急激な発汗・発熱」「イライラ感」「憂鬱感」「食欲不振」「胃痛」「下痢」「肌の乾燥感」「シミ」「胸痛」「動悸」「不眠」などの症状が現れます。
これらの原因を漢方的に弁証しますと次のように分類できます。
1.「肝鬱」 (外からのストレスを受けた場合に症状が悪化する)
2 「気滞」 (気分が滞って憂鬱感が出てくる)
3.「血於」 (血液が滞って痛む症状が出てくる)
4.「気逆」 (気滞の状態が続くと気が逆上したり、イライラが現れる)
5.「心脾両虚」(胃腸の症状とこころの症状が現れる)
6.「腎陰虚」 (老化により水分が不足するため乾燥症状が現れる)
7.「肝腎陰虚」(水分の不足により機能が亢進し、目の症状などが現れる)
8.「心腎不交」(心と腎の機能バランスがくずれ不眠などが起こる)
9.「肺腎陰虚」(肺の潤いが失われることにより呼吸器症状が現れる)
10.「相火妄動」(体の熱感が起こり熱症状が激しくなる)
11.「腎陽虚」 (体が冷え中心の症状になる)
西洋医学では精神安定剤や女性ホルモン剤が中心の治療となっておりますが
中医学では上記のように病状の原因を追求し、その症状に適した方剤を選択します。